更新日: 2020-11-01
購入するか?賃貸を続けるか?
これは皆さんの永遠の悩みです。
特に最近は生涯独身を貫くという選択肢ももはや当たり前になってきており、独身でマンション購入を検討する人も非常に多いです!
マンション購入を検討する人の悩みの一つは、
賃貸より本当にお得になるのか?
ではないでしょうか!?
この悩みをはっきりと解決しなければ、あなたはいつまでもモヤモヤしたまま賃貸に住み続けることになってしまいます。これが一番もったいない!!これが一番損している状態です!
今回の記事では、この疑問に対して可能な限り具体的な金額を見ながら、将来住宅にかかる費用を見ていきます。
将来引っ越しが必要になったらどうしよう?
マンションを購入した後に引っ越しが必要になる場合も確かにあります!なので、この記事では住み替えが発生した場合にはどうなるのか?も見ていきます!
将来的に賃貸に住み続けるのか?それとも購入するのか?を決めるために、この記事が少しでも役に立てば幸いです!
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参考にするマンション!
今回の記事ではなるべく具体的な数字で議論したいので、参考にする物件を具体的に決めておきます!
想定する購入物件
おおよそ下の表くらいの物件を想定して検証していきます!
年収500-600万円くらいの人が購入することを想定すると価格は3000万円くらいが無理なく住宅ローンを返済できる価格です。
あと、今回は住宅ローン控除を受けることを想定しました!住宅ローン控除は、毎年ローン残高の1%が所得税、住民税から控除されるというかなりお得な制度です!
住宅ローン控除を受けたい場合は登記簿ベースで50㎡以上の物件である必要があります。広告は一般的に壁心表記が多い(登記簿に載っているのは壁表面から計算した面積)ので、今回は60㎡程度の物件としました。
種類 | 中古マンション |
---|---|
価格 | 3000万円 |
広さ | 60㎡程度 |
立地 | 駅徒歩10分弱 |
一人暮らしには少し大きい部屋になりますが、そのうち結婚する可能性などを考えるとありですし、一人で大きい部屋に住むのも結構気持ちがいいです!(私がそうでした)
想定する賃貸物件
上の中古マンションとなるべく似た条件の賃貸マンションの家賃をSUUMOで調べました!
場所は私の住んでいる川崎市の南武線沿いで検索して色々見てみると、同じくらいのマンションが管理費込で約13万円くらいの値段で借りれます!
この家賃13万円ほどの賃貸物件を比較対象にしてみます。
1人暮らしなのに家賃13万円する賃貸に本当に住むのか?と思うかもしれませんが、生活レベルを合わせて比較した方がよいです!
マンション購入についても今回は3000万円の物件ですが、同じようにレベルを下げて物件価格を抑えることも可能ですので、しっかり物件のレベルは揃えて比較していきたいと思います!
賃貸vs購入の初期費用を比較
まずはマンション購入と賃貸の場合で必要になる初期費用を比較してみます。初期費用というのは、家賃や住宅ローン返済以外に、購入時(入居時)に必要になる費用です。
マンション購入の場合は初期費用がかなり大きくなるので、トータルのコストを考えるためには無視できません。
マンション購入時の初期費用
マンション購入の場合は賃貸に比べて、初期費用がかなり高額になります!
高額になる要因は、購入時の仲介手数料と住宅ローン契約時の保証料です。
仲介手数料は物件購入価格の3%+6万円が上限という決まりがある(そして、大体の仲介業者は上限一杯まで請求する)ので簡単に計算できますが、住宅ローンの保証料は、契約者や銀行によって変わってくるので一概に見積もれません!
以下のSUUMOの記事によると、一般的に物件購入価格の6〜10%になると言われています。
なのでここでは簡単に計算するために、中間をとって物件価格の8%が初期費用としてかかるとします。
3000万円の物件の場合は、初期費用は約240万円となります!
- マンション購入では仲介手数料と住宅ローン保証料が高額!
- 3000万円のマンション購入の初期費用は、約240万円!
賃貸入居時の初期費用
賃貸の場合もマンション購入の場合ほどではないですが、いくらか初期費用がかかります。
賃貸物件を紹介してくれた不動産屋への仲介手数料はもちろん、敷金、礼金も必要です。
こちらも以下のSUUMOの記事を参考にすると、一般的に借りる物件の家賃の4.5〜5ヶ月分が必要です。
ただし、このSUUMOの記事の計算には前家賃が含まれているため一旦それは除くことにし、家賃の4ヶ月が初期費用としてかかることにします!
なので、13万円の賃貸物件の場合には初期費用が約52万円かかることになります。マンション購入に比べればかなり安く抑えられますが、それでも50万円は大きいですね。
- 家賃13万円の物件の場合、初期費用は約52万円
比較すると、初期費用はマンション購入の方が188万円高いことがわかります!
毎年かかる費用を比較
次に毎月、毎年かかる費用を比較します!
まずはマンション購入の場合の住宅ローンの返済額ですが、今回は35年ローンで変動金利年0.6%(元利均等返済)で計算しました。その場合の月々の支払額は、79,208円(内、利息は初期で15,000円ほど)になります。
マンション購入の場合には、住宅ローンの返済の他にも、管理費・修繕積立金、固定資産税がかかりますが、住宅ローン控除を受ければ、初めの10年間はいくらか戻ってきます。
住宅ローン控除の額はローン残高によって変わるため、徐々に減っていきますが初年は以下のような費用になります。
内容 | 費用(月額) | 費用(年額) | |
---|---|---|---|
マンション購入の場合 | ・住宅ローン返済、利息
・管理費、修繕積立金(合わせて月2.5万円とした) ・固定資産税(年10万円とした) ・住宅ローン控除 | 約8.7万円 | 約104.8万円 |
賃貸の場合 | ・家賃 | 約13万円 | 約156万円 |
管理費・修繕積立金は、平均的な価格として合わせて2.5万円としました。
固定資産税も土地や建物の評価額によって変わるため一概には見積もれないのですが、川崎市在住の私の経験からおおよそ年10万円としました。東京都内では以下の記事のように年15万円くらいという試算もあります。
表から分かるように、毎年かかる費用はマンション購入の方がかなり安くなります!
ここでもし賃貸の場合もマンション購入と同じくらいの出費に抑えようと思うと、104.8/12=8.73万円になるので、かなり家賃を抑える必要があります。
13万円の部屋と8.7万円の部屋はかなり違うので、それだけ生活レベルは落とさないといけないですね。
4年以上住めばマンション購入がお得に!
実際に賃貸に住んだ場合とマンションを購入した場合にどれくらい費用が変わってくるのかを比較します!
比較した結果が下のグラフです!グラフでは(賃貸の場合の費用)ー(マンション購入の場合の費用)を載せていますのでマイナスになるほどマンション購入が損、逆にプラスになるほどマンション購入がお得というこことになります。
マンション購入の場合は初期費用が188万円高いので-188からスタートしています。
面白いのは、そこから4年後には賃貸の費用の方がトータルで高くなり、差額がプラスになります。
経過年数が10年を過ぎると住宅ローン控除がなくなるため、プラスの増加幅が小さくなりますが、もし35年間住み続ければ賃貸に比べて、約810万円お得という計算になります!
つまり、今回の参考物件の場合には4年以上住めばマンション購入の方がお得!という結果がでました!
もしこれからマンション購入を考えている方は、5年以上住むように計画すると良いです!
また、マンションを購入してみたものの、実際に住んでみると自分には合わなかったという人もいるかと思います。そういう人は、5年程度住んでみて、また賃貸に戻るでも損はしません!
住宅ローン控除なしでは、9年以上住まないとお得にならない!
住宅ローン控除がなしの場合も計算してみました!
なんと!マンション購入の場合9年以上住まないとお得にならないという結果に!!
それだけ住宅ローン控除という制度が大きい制度だということが分かります!
なので、住宅ローン控除が適用できるマンションを選びましょう!とも言えるのですが、実際にはマンション価格に住宅ローン控除の有無が既に織り込まれいることが多いです。
住宅ローン控除が受けられない物件でも安く買えるのであれば問題ないです。控除手続きもなくて楽ですしね!
3000万円の物件では、住宅ローン控除は10年間で約300万円弱になりますので、もし同じ物件を2700万円程で購入できれば問題無いはずです!
マンション購入後に住み替えるとどうなる?
マンション購入のリスクは仕事の都合や家庭の事情などで、引っ越しが必要になった場合だと思います。
特に、独身で一人暮らしの方は引っ越しが必要になるケースが多いのではないでしょうか?
賃貸の場合、違約金が発生するとしても家賃一ヶ月分程度ですので、今回のケースだと住み替え費用は13万円になります。
マンション購入の場合には、売却するにしても手数料が多くかかります。
仲介手数料が売却価格の3%+6万円。以下のページを参考にすると、この他に抵当権を抹消する登記費用、印紙税、ハウスクリーニングでだいたい20万円程度と見積もれます。
住宅ローンを完済しないと抵当権を抹消できないので、売却する人はだいたい住宅ローン残高よりも大きい額に売出し価格を設定します。なので、ここでは仮に住宅ローン残高と同じ値段で売却できたとします。
3000万円の物件で35年返済金利0.6%の場合、5年後のローン残高は約2600万円、10年後の場合は約2200万円になります。
住み替え後の新しいマンションでも住宅ローン控除を受けられるのかどうかは一つ注意しないといけないことがあります。それは、売却時に利益が出たかどうかと、利益に対する減税処置を受けたかどうかです。
減税処置を受けた場合には住宅ローン控除が受けられなくなりますので、その点は注意が必要です。以下のサイトが詳しいので参考にしてください。
譲渡所得の計算方法
今回は売却で利益は出なかったとして検証します!
住み替え先の物件については、簡単にするために同じ3000万円のマンションを想定します!賃貸についても家賃13万円のマンションとします。なので、住み替え時の諸経費は、初期費用と同額 + 売却費用としました!
以下で、実際に住み替えをした場合に、マンション購入が本当に得なのかどうかを見ていきます!
5年後に住み替える場合
以下のグラフがマンション購入5年後に住み替えをした場合に、マンション購入がどれだけ得するのかを示したグラフです!
住み替えをした時点では、再びマイナスになってしまいますが、10年の時点ではまたプラスに戻ります! 35年経過時点の損得を見ると、住み替えがない場合に比べると140万円ほど損することにはなります。しかし、賃貸よりは約670万円お得という結果です!
10年後に住み替える場合
マンション購入10年後に住み替えた場合にはこうなります!
新しい住居でも住宅ローン控除を受ければ、合計20年間も住宅ローン控除を受けられるので、一番をお得になりますね!
面白いのは、住替えをしない場合と比べて35年目の差額が800万円程度となりほとんど変わらないこと!!
つまり、住替えをしてもしなくても最終的な損得はそんなに変わらないのです!!
3000万円の物件の場合、住宅ローン控除10年間で控除される額は合計300万円弱ですので、このお金で住み替えの諸経費をまかなったと思えば、一番しっくりきますね!
ただし、ローンの完済の時期が後ろにずれ込んでしまうので、その点は注意が必要です。年齢または銀行によっては35年ではローンが組めなくなる可能性もあります。
- 10年後の住み替えなら、住み替えしない場合と大きく変わらない!!
マンション購入の注意するべきこと&デメリット
今回の検証で考慮しなかったことをまとめておきます。実際には以下の要因によって得か損かが変わってくる場合があります。
住宅ローン控除は全額返ってくるとは限らない
借り入れ額が多いと、所得税、住民税を払っている額が控除額に届かない場合があります。控除しきれない場合、その分の額は戻ってきません!
会社から家賃補助が出る場合
福利厚生が充実している会社では、賃貸の場合に家賃補助が出る場合があります!しかもそれが結構な額がもらえる場合も多いです。そのような人は賃貸に住むほうがかなりお得になるかもしれません!
住み替えは思ったよりも大変
住み替えすることのデメリットはあまりないように感じるかもしれませんが、実際にマンション購入後に住み替えするのはかなり面倒です。
新しい物件を探しつつ、今のマンションを売却する必要があり、どちらも時間がかかるものです。うまくタイミングが合えば良いのですが、タイミングが合わないと仮住まいとして一度賃貸に引っ越す必要も出てきます。仮住まいに住むとなるとまた余計に費用もかかってしまいます。
私もこの住み替えをやったのですが、すごく大変です。一回やったら二回目はもう絶対無理という感じですね。
災害による損害のリスク
大災害が起こったときには、マンションも大ダメージを受ける可能性があります。多少保険で補償されるとは言え、損失が発生することは間違いありません!
地震は日本に住む上で仕方ないとしても、水害や崖崩れ、液状化などの災害は、物件選択である程度想定できるものです。物件購入の最大のリスクとも言えますので、妥協せずに災害リスクは抑えていくべきです。
住み替えの際にうまく売却できるかどうか
今回のシミュレーションでは、住み替えの際にうまく売却できることを想定しています。しかし、マンションの売却というのは必ずしも簡単にいくものではありません。
物件によっては大きく売値を下げないと売れなかったりします。人口縮小傾向の日本なので、地方ではどんどんマンションの買い手が少なくなってくることも想定できますので、その辺りの情勢もうまく見極めないといけません。
一人暮らしマンション購入は賃貸より本当にお得なのか?
今回の検証では、長く住めば住むほどマンション購入の方が賃貸よりも得するという結果が出ました!
今回対象にした3000万円のマンションのケースでは、得する額は35年間で約800万円ほど!これを多いと見るのか少ないと見るのかは人それぞれです。
私は35年で800万円というのはそこまで大きな得ではないと思います。
しかし、今回の検証では35年経ったあとのことは何も記載しませんでした。マイホーム購入は住宅ローンを返済し終わってからがものすごいメリットがあるはずです。
住宅ローンを返済し終わったあとももちろんいくらか物件の価値は残りますので、35年後にほぼタダで住める家を持てるというのはものすごいメリットです。賃貸の場合は、ずっと家賃がかかります。マンション購入の場合にも管理費・修繕積立金はかかり続けますが、かなりお手頃な値段です。
年金も当てにならないと言われている時代ですので、老後のことを考えてもこのメリットは大きいです。
- ローン返済中は賃貸と比較してそこまで大きく得する訳ではない。
- 一番のメリットはローン返済後にほぼタダで住める家が手に入ること!!
独身一人暮らしでのマンション購入おすすめのプランは?
独身、一人暮らしでのマンション購入を考えられている方が意識したいのは、最終的にいかにしてタダで住める家を持つかということです!
堅実に貯金して、貯金が溜まったらあとでマンションを購入するのもなくはないですが、貯金している間もどこか賃貸に住んで家賃を払い続けなければいけないので、後々購入するのであれば、できるだけ若い内、可能なら今すぐにでも購入に踏み切った方がいいです!
人それぞれ人生プランは異なると思いますので、それぞれのプランごとにどうするべきかを考えて見ました!
タイプA | ずっと独身一人暮らしがいい人 | 今すぐ物件を探す!1〜2回なら住み替えしてもそこまで損しません! |
---|---|---|
タイプB | 今は独身一人暮らしだが、いつかは結婚したい | まだ結婚する予定がないのであれば、すぐにマンションを購入する。結婚後もしばらく住めるように大人2人で住める1LDK, 2LDKくらいがよい。その後結婚して、子供ができて手狭になってきたら、住み替え。このタイミングが5〜10年後であればベスト! |
タイプC | いつ転勤するか分からない | 住み替えはとても大変になるので、購入はやめたほうがいい。 |
タイプD | 結婚しそうだ | すぐにプロポーズして結婚を決める!笑
そして、マンション、又は一戸建てを購入する! 万が一プロポーズ失敗した場合も、一人暮らしがしばらく続くかもしれないので、マンションを購入する! |
ちなみに私はタイプBでした!!独身でマンション購入した後2年ちょっとで結婚しました。しばらくは独身時代に購入したマンションに子供と3人で生活していましたが、現在はそのマンションを売却し、一戸建てへの住み替えを目指しています!
タイプCの人はもう職業柄仕方ありません。こういう人は社宅や家賃補助が充実している場合も多いので、そういう制度を利用しながら、家賃を低く抑えて貯金し、最終的に勤務地が落ち着いた段階で、マイホーム購入がいいと思います!
タイプDの人は本当に羨ましい!私も本当はこのタイミングで購入を検討したかった!!もしプロポーズ失敗した場合も、そういう人はタイプB扱いになるので、マンション購入を検討しましょう!
以上、長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございます。
これからマンション購入を考えている方、特に独身、一人暮らしの方の参考になれば幸いです!!